共産主義 wikipedia|無料辞書
共産主義(きょうさんしゅぎ、
英Communism /
露Коммунизм)とは、
財産の共有を目指す
思想である。共産主義思想の一つの潮流である
マルクス主義では、
生産手段の私的所有を社会的所有に変えることを目指す。また、この思想に基づく体制も共産主義と呼ばれる。共産主義は
社会主義の一つの潮流であるが、ソ連や東欧の共産党政権下においては共産主義の低い段階を指す語としても
社会主義が使われた。
◆ 思想
◇ マルクス、エンゲルス以前の共産主義思想
共産主義の概念は、古代に遡れば
プラトンにも見られるが、歴史上、現在使われる文脈とほぼ同じ意味で“共産主義”という語を用いた最初の人物は
フランソワ・ノエル・バブーフである。この語の由来はラテン語で
共有、
共通、
共同を意味する“communis”であり、歴史的に最も早い使用例はシルヴィ父子によって書かれた『理性の書』(1706年)である。その後、フランスにおいて
社会主義、共産主義が20世紀に使われたような文脈で初めて使用された。19世紀・フランスにおける共産主義思想をドイツに紹介した人物は
ローレンツ・フォン・シュタインであった。マルクスはシュタインの著作である『
今日のフランスにおける社会主義と共産主義』(1842年)を読み、ここから自身の思想を展開することになる。
エンゲルスは1880年に発表した『空想から科学への社会主義の発展』の中で、空想的社会主義思想家として
サン・シモン、
フーリエ、
オーウェンの三人を挙げて評価・批判するとともに、社会主義の思想が空想から科学へと発展していく歴史的必然性を述べている。
◇ マルクス、エンゲルスの共産主義論
:『共産党宣言』は共産主義者同盟の依頼で書かれたものであり、成立史的にはマルクスとエンゲルスの共著ではない。詳しくは
共産党宣言の項を参照。
1873年に出版された『
資本論』第二版には、「共同の
生産手段で労働し自分たちのたくさんの個人的労働力を自分で意識して一つの社会的労働力として支出する自由な人々の結合体」についての言及がある。社会的分業の一環としての労働が私的な労働として行われる商品生産社会を乗り越えた社会についての記述であり、事実上の共産主義論と見なされている。また、直接言及した箇所には第一版の「共産主義社会では、機械は、ブルジョア社会とはまったく異なった躍動範囲をもつ」、第二版の「共産主義社会は社会的再生産に支障が出ないようあらかじめきちんとした計算がなされるだろう。」がある。
1875年、マルクスは『ゴータ綱領批判』の中で共産主義社会を低い段階と高い段階に区別し、低い段階では「能力に応じて働き、労働に応じて受け取る」、高い段階では「能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」という基準が実現するという見解を述べた。