有価証券のペーパーレス化(無券面化)とは、事務の効率化のため、従前の(商法上の意味での)有価証券を通じた権利(社債や株式)の発行・流通の制度を改め、
券面の存在を前提としない振替制度に改革することである。また、広義には、有価証券の存在を前提としつつも流通に際して券面の交付を要しない制度にすることを広く指し、この場合には
不動化や
大券化を含む。
有価証券は、本来、権利の流通を円滑にするために用いられるようになったものであったが、券面という物理的な存在は盗難や偽造、紛失などの危険も同時に増大させるものであり、また発行・保管に係るコストの増大にもつながる。さらにIT技術の発達は権利の流通面における券面の存在の必要性を大きく縮小させた。そこで、より機動的で安全な新たな権利の流通制度が設けられるようになり、権利は券面から切り離されることとなったのである。